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Sぎ(ストジ}トファニチャー)の現況調査と開発研究
豊田修身・坂下仁志 企画・デザイン部
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要旨
地域の素材や歴史遺産といった有形無形の資源を生かしたSF(ストリートファニチャー)や建物で、「街作り」「街
路作り」を進め、魅力的な景観を創り出しているところが増えてきた。しかし、一方で「迷走する公共デザイン」とテ
レビで取り上げられたように、テーマパークで見かけるマスコット的なものが抜け出したような電話ボックス、「蛙」
や「鬼」といった地域興しのキャラクタげをあしらった橋や公衆トイレが出現するなど、景観デザインに対しての誤解
が先行しているところが多いのも事実である。本研究は、欧米に比べて無秩序とも言える都市空間の景観デザインをい
かにして改善していくかという大きな課題に対して、まず、SFという道具レベルの要素を正確に把握することからス
タートした。身近な事例として大分市、竹田市の街を自らの足で調査し、それぞれのSFを主観評価法に基づいて評価
を行い、今後のSF開発やSF設置のガイドラインと成り得る資料を作成した。
ところで、ストリ叶トファニチャーが外来語として定 着しつつあるのは、屋外の家具という概念が日本人には なく、そのまま用いた方が誤解がないという選択だった と思われる。少々長いので、SFと略している。略すと 科学推理小説のSFと間違われそうで、わかりにくいが、 少しずつ生活に定着していること、また、室内において も屋外においても道具を家具的に大切に扱おうという気 持ちの含まれた「ストリいトファニチャー」という言葉 の概念は、デザインを進めていく上での一つの視点を与 えてくれているので、本研究でもSFとして記述してい くことにした。
2} 研究内容 三 う 研究ブローチヤ・鵬卜
本研究は、公共空間の現場調査を行って、「SF」「 設置環境」「人」の関係を客観的に整理する中で、問題 点を抽出し、解析してデザイン資料として役立つモノと することを目的にスタートさせた。研究の全体計画とし ては、SF設置の際のガイドラインの作成や地域産材を 活用したSFの開発提案及びCGによる景観への適合シ
ミュレーション等も考えているが、今年度はSFのおか れている現況について調査する事に重点をおき、Tabl e 一旦のような流れで研究を進めた。
予備研究の部分は、平成7年度に行ったSF調査で撮 影した写真資料(スライドフイルム、約1000枚)の 1. はじめに
SFとは、St r eet Fur ni てur e(ストリートファニチヤ
〝)の略である。直訳すれば、街路の家具となり、公園
や街路の公共空間に設けられるベンチ、灰皿、屑籠、車
止め、案内板、彫刻、モニュメント等の道具全体を指す。
私たちは、これまで自分の生活スタイルに合った家具 を室内に配して生活を快適にしたいと思い、そのデザイ ン、つまり、インテリアデザインに関心をはらってきた。 そして、その欲求が段々満たされるようになって、よう やく、屋外(街路)でも生活に必要な道具(家具)を適 切に配置して快適な屋外空間を形作りたいと考えるよう になってきた。(Fi g.1)
Fi g。1必要なSFが配置されたポケットパー ク
平成8年慶 研究報告 東分県産薬科学績衛センタ叩
中からピックアップしたものをパソコンにデー タとして 取り込んで整理分類し、誰もが必要な時に出力して活用 出来るようなデータベース化を図った。
Tabl e−1 S F研究の流れ図
オリジナルな分類を試みた。一般的に考えられているS Fを、機能のウェイトがどちらに置かれているかで、「 ハードウエア的ツール」と「ソフトウエア的ツール」に 分けた。そして、主に視覚等によって情報を伝達するも のを「コミュニケーションツール」とし、その3分類に 含まれず、周辺で機能を果たすものを「周辺ツール」と
した。
Tabl e−2 S F分類表 平成7年度SF調査研究資料整理
(東京近郊のSFの写真データ)
SFアイテムの整理・分類 一写真データのパソコン入力 ーアイテム別データベース化
<ハードウエア的ツール> ◎ベースファニチャー
分 <街路の基本機能を満たす道具類>
類 ーベンチ、灰皿、屑籠、バス停、電話ボックス等 ロ ◎照明(ライティングシステム)
<夜の街路を安全で快適に演出する機器類> ー街路灯、フットライト、ライトアップ等 <ソフトウエア的ツール>
⑳アメニティツール
分 <老若男女が快適に過ごせる空間作りの道具類> 韓 −モニュメント、彫刻、噴水、公園遊具等
2 ⑳舗道と樹木
<石畳の遊歩道や心をなごませる街路樹等> 一木レンガ、マンホール、プランター、街路樹等 <コミュニケーションツール>
○ サイン
<地名や解説、案内等の情報の伝達ツール>
分 一記名サイン、誘導サイン、案内サイン等
類 ◎ 広告
3 <企業等が存在や活動をPRする広告物> ー商店看板、イベント広告用の峨等 ⑳標識
<交通を安全円滑にするための情報伝達ツール> ー交通標識、道路ミラー、信号機等
分 韓
∃4
調査地予備調査 。竹田市 。三重町
本調査(フィールド調査、写真) 1、大分市府内町、寿町周辺他 2、竹田市駅前と市街地
結果と考察
2.3 現況調査
このように多様なS Fを調査するには、まず、地域 を絞り込む必要があり、調査対象としてリストアップし た竹田市と三重町を予備調査した。三重町は、近年、道 路網が整備され、大野郡の拠点として急速な発展を遂げ ている。しかし、調査の対象となるようなS Fは少な かった。まだ、行政にも町民にも公共空間のデザイン等 に対する意識の芽生えが感じられなかったので、現段階 では、三重町より竹田市の方が適当と考え、現代的な雰 2.2 SFアイテムの整理、分類
アイテムを細かく分けていくと数え切れない程多様な S Fだが、その機能を正確に把握するために大きく分類 して、その目的や用途を整理していくことにした。スト リートファニチャー自体が概念的なくくりで、機能や用 途の異なるモノたちの集合体であるから、明快な分類が
しにくいが、今後の研究が進めやすく、かつ、提案が一 般の人達にもわかりやすいように、Tabl e−2のような
平成8年度 研究報告 大分県産業科学技術センター
環境や地域と適正な関係を作り出しているか、また、S Fとして求められる様々な特性を備え、それが十分に表 現されているか等を検証するために行った。各データに ついては省略するが、結果を集約すると以下のようなこ
とがわかった。
①総合評価の高いものは、S Fそのもののデザイン以 上に、周囲の環境に溶け込み、全体としての雰囲気が優 れている。それらは、街づくりのコンセプトと基本の部 分で合致している。
②素材感の生きたものは評価が高い。特に天然素材を うまく使ったものは好感が持たれている。逆に擬木、擬 竹といったような天然素材に似せた使い方は最低の評価
となっている。
③メインテナンスの心配があるものは美的に感じられ ない。水辺空間等は特にその傾向があるが、利用者は現 在のSFを見ながら、将来の姿も想像しているものであ る。また、安全安心への配慮も同様で、デザインに生か されているものは評価が高い。
④個々の家や地域住民が景観に配慮しているものは、 評価が高い。お金がかかっているかどうかではなく、デ ザインに暖かみがあるかどうかである。景観に対して持 つべき意識の基本はこの辺にありそうだ。
⑤s Fそのもので見ると、中央の大手の企業が作った ようなものは、洗練されたデザインであっても風景に馴 染まず、地域の素材や技術で作ったものは、稚拙なデザ インや奇をてらったものが目に付く。これからのSFデ ザインを地域で考えていく上での大きな課題であろう。
⑥製品個々の評価からは見えてこないが、SF全体と してのデザインコンセプトがなく、ちぐはぐで場当たり 的なデザインであることは誰も否めないであろう。SF 同士に違和感があって、雰囲気を壊しているようなとこ ろさえある。
4.終わりに
SFの評価を遅めながら感じたことだが、デザインの 良し慈しは、そのSFが「景観に溶け込み、街の一部に なり得ているかどうか」で決まる。そして、最終的な評 価は、外からの評価でなく、地域にすむ人が気に入って いるかどうかで下される。
今年度の研究では、SFの整理分類、データベース化 を進めながらSF評価の試みを行って、SF研究の基礎 ができた。次年度は、これをベースに、調査対象を広げ、 そこで生活する人たちの声も聴きながら、地域にすむ人 たちが関心を持っようなSF設置のデザインガイドライ ンを作成したい。
囲気づくりを計指す大分市と伝統的な雰囲気を残す竹田 市の2ケ所に絞った。
竹田市の調査地として選んだ竹田駅前の市街地は稲 葉川と小高い丘に囲まれた約700mX500m程のス ペースである。歩いて行こうと思えばどこへでも行ける 位の空間であった。調査の結果、駅舎から商店看板まで の多様なSFを25点、ピックアップして、「主観評価 法による調査用紙」(Tabl e−3)をそれぞれ作成して、当 部の4名のデザインスタッフが各々の主観に基づいて記 入した。大分市も同様に25点をピックアップし、合計
50点について評価した。
Tabl e−3 「主観評価法による調査用紙」
3.考 察
評価は順列を競うものでなく、個々のSFが利用者や